ボールが指にかかっている感覚がなく、常にスライダー回転がかかっています。

ご相談内容

はじめまして。野球の送球イップスで相談したいと思ったため、ご連絡させて頂きました。

 私は、今大学1年生で軟式野球部に所属しています。野球は小学校3年生から始めましたが、中学校1年生からイップスの症状に悩まされています。症状が出たのは、中学校野球部の体験入部の日からで、最初はボールを目の前に叩きつけてしまうなど全く投げ方が分からなくなってしまったような状態でした。それでも、ネットスローなどで色々な投げ方を試し、ごまかしながら続けてきました。何とかコントロールできているような状態ですが、ボールが指にかかっている感覚がなく、常にスライダー回転がかかっています。リリース時に指に変な力が入ってしまい、薬指と小指が開いてしまう状態です。ネットスローだとまだ安定しますが人に投げる時に症状が悪化し、また恐怖心があります。ポジションはキャッチャーですが、特にピッチャーに返球する時に、症状が悪化します。Youtube等で様々な改善法を見て試しましたが、あまり良くなりませんでした。自立神経を調整する医療機関を受診してみたりもしましたが、あまり効果がありませんでした。ですので、自分のイップスは改善出来るのか相談したいと思っております。よろしくお願い致します。

回答

Aさん、はじめまして。

ご相談ありがとうございます。

中学1年生の頃から今に至るまで送球イップスで悩まれているとのこと、大変お辛いですよね。

ごまかしながらもなんとかやっている今の状況は、本来の自分の力が出せずにもどかしいと感じていられるのではないでしょうか。

いろいろな練習を試したり、YouTubeを見たり、医療機関を受診したりなどとされていることからも、なんとかしたいという思いと、悩まれている苦しさが伝わってまいります。

Aさんの現状につきまして、「中学校野球部の体験入部の日から突然投げ方が分からなくなってしまった」「ネットスローだとまだ安定するが、人に対してだと症状が悪化する」などのことから、技術的なことよりも精神的な要素が大きく関わっているのではないかと思われます。

イップスの症状は、ご本人としては突然身に起きたように感じられますが、それまでに積み重なっていた精神的な我慢やストレスが影響している場合がございます。

例えば、もともと人からの評価を気にしやすく傾向があったり、緊張しやすい傾向があったり、過去の体験を過度に気にしすぎてしまうなどの傾向のある方が潜在的に抱えていた我慢やストレスが、環境の大きく変わるタイミングがきっかけとなり、症状としてあらわれたなどの可能性もございます。

中学校野球部への入学というタイミングは、これから新たなチームで野球をやっていく期待や不安、先輩や監督から初めて評価を受ける緊張など、さまざまな感情が入り混じっていたのではないでしょうか?

そんな感情の中で、無意識に力が入り、本来の自然な動きや能力が発揮されにくくなってしまったのかもしれませんね。

また、「ネットスローだとまだ安定するが、人に対してだと症状が悪化する」ということからも、ミスをした時に「人からどう思われるか」などの不安や恐怖が影響していることが考えられます。

例えば、日常生活の中でも周囲からの評価を過剰に意識してしまうなどの傾向などはございませんか?

もしかすると、それらの緊張や不安、恐怖心から無意識に力が入り、指先への違和感、リリースの違和感へとつながっているのかもしれません。

なんとかしたいという思いの中で、色々な練習を試したりと努力されていることは素晴らしいことではありますが、時には休んでみるということも大切です。

これまで頑張ってこられているAさんですから、きっと心の中で「なんとかしなきゃ」という思いが強いのではないでしょうか。

このような思いを持つこと自体は当然のように思いますが、時にそれが余計に力んでしまう要因にもなりえます。

練習の中で試していくことも大切ですが、一度休んでみることで、心身がリフレッシュされたり、プレーにおいても余計な力みが消え、本来持っている自分の力を引き出すことにもつながる場合がございます。

また、実際にプレーを見ないことには判断できませんが、動作自体が自分に合っていない不自然なものになっているなど、技術的な要因も考えられます。

当所では、心理分析やカウンセリング、無意識のメンタルトレーニングを用いて、Aさんの抱えている不安や恐怖といった心のお悩みと向き合うこと、それに加えて、キャッチボールの中で本来の自然な動きを取り戻すトレーニングも行っております。

もし機会がありましたら、一度お越しになられてみてはいかがでしょうか。

Aさんの現状を乗り越えるきっかけになれれば幸いです。