試合で暴投してから、投げることが不安です。(Aさん)

ご相談内容

野球をやっています。

ショートを守っているのですが、試合で暴投してから、投げることが不安です。

キャッチボールなどの練習ではできるのですが、先輩に投げる時やコーチに見られている時などは特に不安が強くなり怖く感じます。

最近はミスが増え、怒られることも増え、野球が嫌になっています。

今はネットスロー、壁当てなどで1人で練習を毎日しています。

ですが、練習では問題なくできても、いざ試合になると力が抜けてしまいます。

その感覚はだんだん強くなり、ひどくなったように感じます。

前は投げるのが一番自信がありました。

早くよくなりたいです。

どうすればよいですか?

お答え

ご相談いただきありがとうございます。

もともと投げることに対して自信があっただけに、思い通りにいかないことへの焦りやもどかしさもあるのではないでしょうか。

また毎日練習をされていることからは、「早くなんとかしたい」と焦る思いも感じられます。

詳しいことには実際にお話を聞いてみないことには全てを判断しかねますが、練習では問題なくできること、もともとは自信を持っていたことなどから、Aさんの場合には、技術的な要因ではなく何か精神的なものが要因となっているように思います。

練習をしていく中で、以前よりひどくなったように感じるとのことですが、単なる技術的な不調であれば、練習によって改善される場合もございますが、そうではない場合には、練習量を増やすことや違和感のあるまま練習を続けることは、焦りから余計に思い通りにいかなくなり悪化につながる場合もございます。

先輩に投げる時、コーチに見られている時に投げれなくなってしまうAさんの場合には、「人に対して投げること」への不安や恐怖心に向き合う必要がありますので、ネットスローや壁当てなどの投げ込み練習は、やればやるほどに心身への負担となり、悪化してしまうのも無理のないことかもしれません。

また、練習ではできることが逆に、試合でできないことへの焦りやイラだちや「これだけやっているのに・・・」と自分を責めてしまうことへも繋がっているのかもしれませんね。

ミスが増え責められたりなど、思うようにいかないことを周囲に理解してもらえない中で、暴投してしまうこと自体への不安と、「迷惑をかけてしまうのではないか」「怒られてしまうのではないか」という「周囲の人にどう思われるか」という不安や恐怖もあるのかもしれません。

辛い現状ではあるかと思いますが、乗り越えるためにはまずは「受け容れる」ことが大切です。

もしかすると、もともとは投げることに自信があっただけに、「本当はもっとできるはず」「できないなんておかしい」と現状をなかなか受け容れられずにいるのかもしれませんね。

思い通りにいかないことや、不安を感じてしまうこと、人からの評価が気になってしまうことはスポーツ選手である以上、仕方のないことかもしれませんが、そのような自分も受け容れられ、その上で「人にどう思われるか」よりも「自分がどうしたいのか」に目が向くと、本来の力も発揮しやすくなるのではないかと思います。

また、一度練習から離れ、ゆっくりと休まれることも大切です。

辛い現状から抜け出したいという思いから焦る気持ちもあるかとは思いますが、心身がいっぱいいっぱいの状態で練習をすることは、技術も身につきにくく、やればやるほどに思い通りにいかなくなるなど、本来好きだったはずの野球も今以上に嫌になってしまう恐れもございます。

休まれることで不安や焦りも少しずつ和らぎ、力が入ってしまっていたことに気付けたり、野球に対する自分の本心にも気付ける場合もあります。

現在は身近な方などへの相談などはされていらっしゃいますか?

悩みを相談することは勇気も必要かとは思いますが、思いを吐き出すことで気持ちが楽になる場合もございます。

もし身近な方へ相談することが難しいようでしたら、一度専門機関へご相談されてみることも考えられてみてはいかがでしょうか。

Aさんが現状を乗り越えられるきっかけとなれれば幸いです。