ご相談内容
色々悩んでおります。
私は25歳なのですが、3歳の頃からピアノが大好きで、ずっと続けていました。
専門の道(音大)などには進みませんでしたが、でも本当に大好きです。
それが一年くらい前から、左手がある日突然思った通りに動いてくれません。
PCのキーボードなどは違和感はほとんどありませんが、ピアノになると・・・
人差し指に力が入り中に巻き込んだり、一つ一つの指が独立して動いてくれなかったり、親指が外に反ってしまったり・・・力が意思とは違うように動いてしまいます。
あれこれ整形外科やハリ治療などは行いましたが、これという結果には結びつかず、焦りと不安でいっぱいになりました。
焦りと不安により精神が不安定で、一番大好きなピアノの先生にまであたってしまい、どんどん嫌な人間にもなってしまいます。
大好きなピアノを自分の手で奏でたい。たった一つの気持ちです。大好きなピアノでもう一度舞台に立ちたい。演奏する喜びをもう一回味わいたい。その気持ちでいっぱいです。
諦めたくないピアノ、どうしてももう1回笑って心からピアノを奏でたいそう思っているのです。この症状を理解していただけますか?
遠方からですのでどうしても決断が複雑です。
この病気は治るのでしょうか?
またピアノを弾ける時がくるのでしょうか?
ご回答をお願いします。
お答え
「ピアノ大好きっこ」さん、初めまして。
ご相談ありがとうございます。
「ピアノ大好きっこ」というお名前や、再三、ピアノが大好きであることをお伝えいただいていることからも、「ピアノ大好きっこ」さんにとってピアノという存在が特別で大切なものであることが伝わって参ります。
「もう1回笑って心からピアノを奏でたい」というのが一番の願いですよね。
それだけに、身体が思い通りに動かず演奏する楽しさを感じられないという現状がもどかしく、何よりも辛い状況なのではないでしょうか。
また、ご自身の身に何が起きているのか理解できないままでは、不安や焦りを感じてしまうのは仕方のないことですよね。
「この病気は治るのか?」「またピアノを弾けるときがくるのか?」というご質問に対しまして、詳しいお話を伺ったりしていない現状では、ハッキリとお答えすることはできませんが、身体におこる症状には必ず意味があるものです。
そして、その意味に気づくこと、向き合うことで、誰しもが症状を乗り越えるきっかけを掴めるものだと思います。
左手に関する症状が、「ある日突然」身に起きたことのように思いますが、このような症状がおこることにも必ず原因がございます。
例えば、ピアノと向き合う中で何か葛藤があったり、またピアノとは関係のない日常生活の中で何か我慢を抱えていたりなど、一見、直接的には関係なく思えること、ご自身では気づかれていない部分が影響している場合もございます。
「色々悩んでおります」とありますので、ピアノだけでなく日常生活の中でも何か我慢をされていたり、悩まれていることもあるのかもしれませんね。
また、一つ考えられることとしまして、「左手だけが動かない」という症状は、もしかすると今の「ピアノ大好きっこ」さんが感情を抑えている状態なのかもしれません。
人間の身体の左半身は右脳、右半身は左脳がコントロールしています。
そして、一般的に右脳は感情や感覚、左脳は理論や理屈と深く関わっているといわれます。
もしかすると、今の状態は本当の気持ちを抑え込み、心ではなく頭で考えて動かそうとしてしまっている状態なのかもしれませんね。
「思い通りに動かしたい」「うまく弾きたい」という意識が、本来無意識に発揮できるはずの力を発揮することを妨げてしまっているのかもしれません。
また、文章から「ピアノが大好き」という表現が多くみられることには、どこか大好きであると自分に言い聞かせているようにも感じられます。もしかすると、そこには「ピアノを大好きでいたい」「ピアノを嫌いになりたくない」という願望も含まれているのではないでしょうか。
長年大好きで続けてきたことですから、思い通りにできない事実は辛く、受け容れ難いものかもしれません。
「本当は演奏を楽しみたいのになぜ思い通りに動かせないのだろう」という悔しい思いもありますよね。
大好きな先生にも当たってしまったことは、自分の中で受け容れられない、行き場のない思いをぶつけてしまったことが原因になっているのかもしれませんね。
しかしながら、乗り越えるためにはまず受け容れることが大切です。
3歳から25歳の現在までピアノを続けてこられたことから、本来の力は間違いなくお持ちであると思います。
しかしながら、今は一度休み、思い通りにいかないこと、嫌になってしまうことも受け容れるための時間、自分と向き合う時間も必要なのかもしれませんね。
整形外科やハリ治療などの身体へのアプローチにあまり効果を感じられなかったことからも、練習や身体的な不調ということよりも、心や感情に向き合うタイミングというサインなのではないかと感じられます。
遠方ではあるかと思いますが、もしお辛い状況が続くようでしたら、機会がありましたら一度当所へお越しになられてみてはいかがでしょうか。
現状を乗り越えるお力になれれば幸いです。