大会前に突然、2年前に習得したバク転、半年前に習得したスタンド宙返りが出来なくなりました。

ご相談内容

イップスかもしれないと思ったら、まず読む本を買わせていただきました。

小学4年生のチアリーディングをしている娘の事です。

アクロバットな技 タンブリングが得意で練習も大好きで楽しく通っていたのですが、大会前に突然、2年前に習得したバク転、半年前に習得したスタンド宙返りが出来なくなりました。

大会が終わり1ヶ月経ちましたが、いまだに先生の補助がなければ出来ません。

補助といっても、手を添える程度で先生達に絶対1人でできるのにと言われます。

すごく柔らかいマットの上では1人で出来ます。

1年前の大会でバク転2回からの宙返りをバク転1回で終わらせてしまった過去はあります。

これはイップスの症状でしょうか。

お答え

初めまして。

ご相談いただきありがとうございます。

思うようにできない娘さんのご様子を心配され、不安を感じられていることが伝わってまいります。

娘さんが以前のように楽しんでいる姿を見たいというのが心からの願いではないでしょうか。

それだけに今の状況は、娘さんにとっても、お母様にとってもお辛い状況ですよね。

「これはイップスの症状なのか?」というご質問に対しまして、実際にお話を聞いたり、見ないことには全てを判断することはできませんが、「本来できるはずのことができなくなってしまう」ということから考えると、イップスの症状の一つと考えられるのではないかと思います。

本来、練習して習得したことを無意識にできるように記憶していくことが脳の仕組みですから、今の状態は、習得した技術が思うように発揮できない心の状態、脳の状態なのかもしれません。

娘さんの現状につきまして、元々は練習も楽しく、大好きだったとのことですから、現在の状況は、大会を前にして「先生やお母さんの期待に応えたい」「そのためにいい結果を出さなければいけない」などのような思いから、不安や緊張、恐怖が生まれ、本来の「楽しむ」ということができずにいるのかもしれませんね。

こうしてイップスに関する本を読まれたり、ご相談していただいたことからも、お母様が娘さんのこと大切に思われ、気にかけられている思いが伝わってまいります。

きっとそれは娘さんが競技をする上での大きな心の支えとなっているように感じられます。そして娘さんが大好きなチアリーディングに打ち込めていることは、お母様の熱心なサポートがあってのことだと思います。

しかしながら、時にその期待が娘さんにとってプレッシャーとなってしまう場合もございます。

子どもは先生や親など大人を喜ばせたいという思いから、無意識のうちに期待に応えたいと思うものです。

それだけに、思うようにいかず期待に応えられない今の状態に娘さんは寂しさを感じているのかもしれません。

補助や柔らかいマットが必要なことには、親や先生に頼りたい無意識の寂しさや、不安をなくし安心感を求めたい思いが現れているのかもしれませんね。

小学4年生という年齢は、何をするにも大人の力を必要としていた時期から、少しずつ自分の力で行動することへの移り変わりのタイミングではないでしょうか。

そういった心の移り変わるタイミングであることや、期待に応えられない寂しさ、無意識の不安や緊張、我慢の積み重ねに、大会での失敗などもきっかけとなり、本来の力を発揮できないという原因にもなっているのかもしれませんね。

本来、好きなことや楽しいことをする時には、ワクワクした感情が自然と湧き、身体も自然に動くものです。

心から自分がやりたいという思いに気づき、「こうしたい」「ああできたらいいな」といった、主体的な思いが生まれた時に、乗り越えるきっかけが掴めるのではないかと思います。

親御さんの立場としまして、現状の娘さんに対してしてあげられることは、まずは一度心身を休ませられる時間を作ってあげることではないかと感じます。

今の娘さんの状態は、きっとチアリーディングをしていても楽しさを感じられず、頭も心もいっぱいいっぱいの状態なのではないかと感じられます。

そのような状態で練習をすることは、技術の上達にも繋がりにくく、余計に心が疲弊してしまう恐れもございます。

少し休んだり、離れてみることで、自分の本当の気持ちに気付けたり、リラックスすることで力が抜け、本来の動きも取り戻しやすくなるものです。

とは言いましても、大切な娘さんのことですので、不安になってしまうことは避けられないと思います。

娘さん自身がどのように感じているのか、実際にお話を聞いてみないことにはわかりませんが、もし機会がありましたら、一度当所へもお越しになられてみてはいかがでしょうか。

当所ではカウンセリングや無意識のメンタルトレーニングを通して、本人の意識には現れない無意識の感情にも向き合い、乗り越えるお手伝いをしております。

現状を乗り越えるお力になれれば幸いです。