ご相談内容
はじめまして。
現在、国外にてサッカーをしています。
今年に入ってからある国でトライアウト(テスト)を受けていたのですが、そこでなかなかうまくいかず、結局合格できませんでした。
その後違うチームに決まったのですが、その時の良くないイメージ(他人の評価を気にしたり、自分の悪いところばかりに目がいったりと)がずっと残っていてトラウマというか少しのミスでドキドキが止まらなくなり、大事な場面で力が入ってミスしたりとうまいこと体が動きません。イメージと全然違う動きをしてしまいます。
最初はただ単に自分の実力がないだけと思っていましたが、どんだけたっても今までのようにできません。どうすれば良いでしょうか。
お答え
たなかさんはじめまして。
ご相談いただきありがとうございます。
国外でトライアウトに挑戦され、現在はチームに所属されているとのことですから、ご自身の今後が決まる重圧のかかる場面でプレーされていることでしょう。
それだけに思い通りのプレーができないことに対しての焦りや不安が伝わってまいります。
辛いご経験もされ、苦しくもどかしい思いを抱えられていることと思います。
心中お察しいたします。
どうすればいいのかというご質問に対して回答させていただきますと、実際のプレーを見たり、詳しいお話をお聞きしたわけではありませんので、断言することはできませんが、
これまでに同じようなお悩みでご相談頂いた経験からお伝えさせていただきますと、「観念」と「受け容れ」の2つが現状を乗り越えるきっかけを掴むためのヒントになるのではないかと思います。
まず観念ということにつきまして、過去のトライアウトでうまくいかなかったご経験から「同じように失敗してはいけない」「認めてもらわなければいけない」という「~しなければいけない」という思いが強いように感じられます。
厳しいスポーツの世界ですから結果を残さなければいけないと感じてしまうことは多々あることと思いますが、このような「~しなければいけない」という観念は、頭と心と体の不一致を引き起こしたり、緊張させ体を動かさなくさせる原因になり得ます。
例えば、「練習しなければいけない」と考えているときの頭や心、体はどのようになるでしょうか?
頭では「練習しなければいけない」と思っていても、心では本当は「練習したくない」と感じています。
人間が本来やりたいように動く際には、心から「こうしたい」とワクワクし、体が自然に動くものです。
そのためこのように頭では「練習しなければいけない」でも心では「練習したくない」という頭と心が一致しない状態では体にも不自然な動きが現れることがあります。
また同じように例えば、「シュートを外してはいけない」と考えているときはどうでしょうか?
「外してはいけない」と考えているとき、頭の中では「シュートを外している」場面を思い浮かべてしまいます。これを予期不安といいます。
人間は脳でイメージしたことが体に指令を出し、約60兆個の細胞を動かしますので、「~しなければいけない」「~してはいけない」という観念からくる予期不安がたなかさんの本来の自然な動きを妨げているのではないかと思います。
自分が「どうしたいのか」が明確になり、「~しなければいけない」という考え方から、「こういうプレーをしよう」などの「~しよう」という考え方に徐々に変わると本来の自然な動きでプレーができるようになっていくものと思います。
一度時間を作り心身をゆっくり休ませながら、ご自身と向き合う時間を作ってみてはいかがでしょうか。
そうすることで余裕ができ、別な考え方や観方ができるようになると思います。
また、文面での判断にはなりますが、もしかするとたなかさんは現状のご自分について「受け容れる」ことができずにいるのではないかと感じます。
「本当はもっと結果を出せたはずなのに」という思いや、「あの時こうしておけば」と思う気持ちなど受け容れがたいことかもしれません。
しかし、人間である以上失敗することは誰にでもあることであり、不安に感じることも当たり前なことです。悪いことではありません。
自分の実力がないと感じたり、悪いところにばかり目がいってしまうとの事ですが、決して自分自身を責めずに受け容れてあげてください。
「受け容れる」とは自分自身の良いところも悪いところも認めて隠さずに向き合うことです。
受け容れることができなければ相談することもできませんよね。
たなかさんは現状について誰かに相談はできていますでしょうか?
きっと人一倍努力されていることと思いますし、国外で環境的にも無意識に不安を抱えていることとも思いますので、現状について相談できる身近な人が見つかると、心の支えとなりそれだけでも気持ちも楽になるのではないかと思います。
もし相談できる人が見つからないようでしたら遠方かとは思いますが、当所でも初回の相談は無料で行なっておりますので一度機会がありましたらお越しになってみてください。